淡水パールは、ヒレイケチョウガイという淡水貝を母貝として作られる真珠です。
アコヤ真珠との1番の違いは、「核」をいれてつくるかどうかということです。淡水パールは核を入れずに養殖される為、ほぼ100%真珠層でできた真珠です。
あこや真珠が6mm珠なら6mm珠用の、8mm珠なら8mm用の核を入れるのに対し、淡水パールは無核ですので、その大きさになるまで湖の中で大切に育てられます。8mmの淡水パールを作るのには約7~8年かかるといわれています。
最近では、核を入れて様々な形に作られたファンシーパールといわれるものもあります。◇、☆、ハートなどがあります。又、12mm以上の大珠の中には核を入れて大珠にしたものもありますが、核の素材にワシントン条約に抵触するシャコガイを使ったものがあるようですので、注意が必要です。
左の画像の左はアコヤ真珠、右は淡水真珠の断面図です。
アコヤ真珠の真ん中の白い部分が核で、それをとりまいている部分が真珠層です。
淡水真珠は、木の年輪と同じく真珠層の成長のあとが断面図でも見ることが出来ます。いわゆる貝輪とよばれるものです。
淡水真珠は核が無く、ほぼ100%が真珠層です。その為、汗や衝撃等で真珠層がはく離しても核が露出することが無いので、取扱に神経質になる必要がなく、気軽に着用できるのが最大の利点です。
一昔前の淡水真珠は、安かろう悪かろうというイメージがありました。
それは褶紋冠(シュウモンカン)貝から生産した淡水真珠で、育てやすく養殖期間が短いのですが、淡水真珠は小粒で変形したものが多かったからです。
ところが1990年代に入って、ヒレイケチョウガイという貝からの真珠の養殖に成功し、それはアコヤ真珠に肩を並べるほどの良質なものだったので、淡水真珠も一気に高級な真珠の仲間入りをしたのです。
ヒレイケチョウカイは中国原産の貝で、日本のイケチョウ貝とは別種の貝です。
淡水パールのカラー
淡水パールのナチュラルカラーは、大別して次のようになります。
- ホワイト系
- オレンジ系
- パープル系
オレンジ系やパープル系は色幅がありますので、オレンジ系の中にゴールド系や、パープル系の中にグレー系もまれに見受けられますが、かなり貴重性が高くなります。基本的に上記以外のカラーパール、例えばレッドやグリーンなどはお化粧(染色)しています。
淡水パールの形の種類
淡水パールは、形の種類を大別すると
- ラウンド・セミラウンド・・・真円に近い形のもの
- エッグ・・・・・卵形
- ポテト・・・・・ジャガイモのような形のもの
- ボタン・・・・・底の平のおわんをふせたような形
- ケシ・・・・・・ケシの花びらのような形
- バロック・・・不定形な形
- フェザー・・・棒状の木の枝のような形
等に区別できます。
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エッグ
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ポテト
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ボタン
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ケシ
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バロック
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フェザー
淡水パールの形の種類2(ファンシーパール)
核を入れることにより、様々な形のパールを作ることが出来ます。
一般的に流通しているものに、星、丸(コイン)、四角、ダイヤ、六角形、、ハートなどがあります。
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☆(星形)
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四角
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ひし形
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六角形
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丸(コイン)
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雪だるま
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ドロップ
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さかな
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ハート
淡水パールの形の種類3
サークルパール
珠にサークルの入ったパールをサークルパールと呼びます。
形は、ラウンド・ポテトなどがあります。
最近、オーガニックなパールとして人気が出ているようです。
ベビーパールについて
2~3mmの極小な珠の大きさのパールをベビーパールと呼びます。ベビーパールの中で、エッグ型のパールの小さいサイズのものはライスパールと呼ぶ場合もあります。真円に近い形状のものは希少性があります。
珠サイズが小さいと、穴あけ、連通しとも高い技術力が必要で、コストもかかる為、価格的には割高になります。
単独でチェーン代わりに使ったり、ペンダントトップをつけたりと、使い勝手が良いので人気があります。又、7連など重連になったものは、繊細ながらとても華やかなネックレスになります。